露除けヒーター



カメラ用の露除けヒーターは、大阪日本橋のシリコンハウスという電子部品屋さんで見つけたフィルム
ヒーターを使い、望遠鏡用の露除けヒーターは、電気店などで売られているニクロム線を使います。
望遠鏡用のヒーターは誠文堂新光社の「天体望遠鏡の作り方」に出ていたものに多少工夫を加えたものです。
また、温度を調節するために、3端子レギュレータLM317Tを使った安定化電源器を作りました。
これは、IN12Vで、OUT 1.2〜10V Max1.5A が可変に得られる安定化電源器です。


T ヒーター部分


T-1 カメラ用のヒーター

たまたま別の用事で入った大阪日本橋のシリコンハウスという部品屋さんで見つけたのが、このフィルム
ヒーター(抵抗値80Ω)です。値段は、1枚450円でした。
フィルムヒーターの大きさは、5.5cm×8.5cmで、200mm程度までのカメラレンズのフードに巻いて
使うには、ちょうどよい大きさです。下の写真が、フィルムヒーターの全体図です。
 




T-2 望遠鏡用のヒーター

口径10cmまでの屈折の場合は、300Wか600Wのニクロム線1本で十分です。
口径の大きいシュミカセには、600Wのニクロム線を2本つなげて使います。

T-3 望遠鏡用のヒーターの材料

300Wのニクロム線、絶縁用の直径4mmの熱収縮チューブ、平型端子
600Wのニクロム線、絶縁用の直径6mmの熱収縮チューブ、平型端子
熱収縮チューブと平型端子はホームセンター等で手に入ります。

T-4 作り方

電気店で売られているニクロム線は、そのままでは短いので望遠鏡のフードの内側か外側に巻ける
長さにまで伸ばします。このとき、フードの外周または内周の長さは、


                  L=Rπ    
                  π=3.1415  
L:外周または内周の長さ R:フードの外径または内径
で計算できます。そして、Lの長さにまでニクロム線を引き伸ばします。このとき注意することは、
らせん状に巻いてあるニクロム線を均一に伸ばすことです。もし、不均一な所ができると電流を
流した時にその部分に発熱が集中するからです。
次に、絶縁用の熱収縮チューブを伸ばしたニクロム線に通した後に自在に曲げることの出来る
太さ2mmのデザインカラーワイヤーを芯として通して、ニクロム線に平型端子を取りつけます。
そして、熱を加えてニクロム線と絶縁用の熱収縮チューブを密着させて完成です。

このデザインカラーワイヤーは、アルミの芯をビニール樹脂で被っているので、コイル状の
ニクロム線の中に入れてもショートする心配は、ありません。
また、電流を流して、ニクロム線を温めますが、それほど熱くならないので、ビニール樹脂が
溶ける心配もありません。



出来上がったヒーターが、下の写真です。2本つなげる場合は、これを2本作り、つなげます。



このニクロム線ヒーターには、自在に曲げることの出来るワイヤーを芯として通しているので、
下の写真の様にSの字に曲げたりすることができるので、簡単に望遠鏡のフードなどに巻くことが
出来ます。




T-5 望遠鏡用のヒーターの取り扱い上の注意

この露除けヒーターは、家庭用の電気ストーブなどに使われるニクロム線 を使用しているので、無理に曲げたり、
つぶしたりすると折れ曲がった所 に発熱が集中するので、無理に曲げたり、つぶしたりするのは避けて下さい。


U 3端子レギュレータLM317Tを使った安定化電源器


U−1 3端子レギュレータLM317Tの特性

3端子レギュレータLM317Tによる電源回路の出力電圧は、
    V = Vref(1+ R2/ R1)
    Vref:基準電圧でLM317Tの場合、1.25V
で計算でき、R1,R2は、回路図1のR1,R2の値です。

出力電圧を可変にするには、R2を可変抵抗にします。また、LM317Tの内部回路の特性から発振するため
この発振を押さえるために回路中にコンデンサが必要です。

U−2 部品


                                                            個数   値段 (円) 
 
            3端子レギュレーター     LM317T            1    200  

            ダイオード               1N4002            1      10 
  
            コンデンサ               50V 0.22μF            1      15  

                                     50V 10μF            1      15   

                                     0.01μF セラミックス    1      15  

            抵抗                     1KΩ                  1        5  

                                     680Ω                1        5  

            可変抵抗                 5KΩ                  1      90 

            その他                   ケース TB-3             1    250 

                                     LED付きスイッチ      1    140 

                                     ボリュームつまみ        1      70 

                                     DC入力端子            1      60 

                                     DC出力端子            2      70×2 
 
                                     放熱板 PC2035-25-SB     1    130   
   
                                                                      (大阪日本橋調べ)  
        
      
プリント基板を作る場合は、基板とエッチング液が別途必要になります。
この時、エッチング液は、廃液処理剤付きのものを購入すると便利です。

U−3 製作

安定化電源の回路図は、回路図2です。回路図のダイオードD1は、入力に逆電圧が加わった時に回路全体を保護する
役割を果たします。


LM317Tの足の配置は、図1のようになっています。くれぐれも足の配置を間違わないようにして下さい。

図2は、私が回路図2をもとに作ったプリント基板の配線図です。このプリント基板の配線図は、放熱板をケース内に
収めるためのプリント基板配線図です。プリント基板を作るときの参考にでもして下さい。

LM317Tは入力電圧よりも低い出力電圧を得るために入力電圧と出力電圧の差を熱として放出するので、レギュレーター
にはなるべく放熱面積の大きな放熱板を使うことをお薦めます。
また、出力電圧を低くするとレギュレーターの放熱が大きくなるので放熱板をケースの中に入れる場合は、ケースに
何ヶ所かに小さな穴をあけて、ケース内の空気が動いて熱が外に逃げるようにして下さい。
出力電圧の調節ですが、電圧計を付けていないので、私は、テスターで電圧を測りながらボリュームを回して
2、4、8、10Vの位置にしるしをつけました。

LM317Tは、入力電圧の最大値が40Vなので、入力電圧を大きくして、U−1で示した出力電圧の式からR1,R2の
抵抗値を変えてやれば10V以上の出力電圧が得られます。
完成した物が、下の写真です。



家庭用のAC100Vを電源として使う場合の回路図が、回路図3です。
ここでは、AC100VをAC12Vに変圧して使う回路を書いていますが、出力電圧をもっと大きくしたい場合は、
U−1で示した出力電圧の式から出力電圧を大きくすることができます。
ただし、LM317Tの入力電圧の最大値が40Vなので変圧後の入力電圧は40V以下にして下さい。

U−4 電子部品の調達

私は、大阪に住んでいるので、電子部品は、日本橋のシリコンハウスかニノミヤPCX−TOWNエレホビー店の
電子部品売り場で調達しています。
大阪や東京近郊で、大阪の日本橋や東京の秋葉原に行ける人はいいのですが、地方で電子部品の調達が難しい
という人が多いと思います。大阪の日本橋のシリコンハウスにはホームページがありEmailで部品についての
問い合わせができます。シリコンハウスのホームページのURLは、http://www.kyohritsu.comです。
シリコンハウスの場所は、ここです。


V 使用レポート

カメラ用ヒーター、望遠鏡用ヒーター共に気温によってヒーターの設定電圧は変わります。
カメラ用ヒーターを50mmレンズと200mmレンズに付けた写真が、下の写真です。
ヒーターをレンズフードに固定するのには、ゴムひもを使っています。



カメラ用ヒーターは、6〜9Vで露よけには十分なくらい発熱します。
望遠鏡用ヒーターの取り付けですが、自在に曲げることの出来るワイヤーが、入っていますが、望遠鏡のフードの
外側に付ける場合は、ヒーターの形状が円筒形ですので、フードから落ちない様に固定する必要があります。